「刀使ノ巫女」の獅童真希について語りたい
今回は、「刀使ノ巫女」に登場した親衛隊第一席の「獅童真希」について語りたいと思います。
※これより先は「刀使ノ巫女」のネタバレを含むので観覧には注意が必要です。
「刀使ノ巫女」において「獅童真希」は、親衛隊第一席として実力を持ちながら、精神面で不安定な部分が数多く描かれていた刀使でした。
今回は、そんな彼女について、気になったことをまとめてみました。
荒魂に対する恐怖心
「刀使ノ巫女」において「獅童真希」は、精神的に不安定な部分が描かれていましたが、その原因の一つは何と言っても「荒魂に対する恐怖心」 でした。
そもそも、作中に出てくる荒魂のほとんどは、刀使たちの身長を越すものばかりで、動物を模した異形の姿をしており、真希が荒魂に抱く恐怖心は、至極まっとうなものだと思います。
また、いくら剣術を磨こうとも荒魂を必ず仕留められるとは限りませんし、自分の身を守るために張る写シも1日に何度も使えるわけでもないので、いつ命を落とすかわからない状況下では、どんな手を使っても力を得ようとする思考に至るのは必然だったのかもしれません。
そんな真希が抱く「荒魂に対する恐怖心」 は、「刀使ノ巫女」に出てくる刀使たちが精神的に不安定で年端のいかない少女ばかりなのだと改めて認識させられる要素にもなっていました。
立ちはだかる強さの壁
作中において真希は、精神的な不安定になる要素の一つに「荒魂に対する恐怖心」がありましたが、「立ちはだかる強さの壁」もその一つとなっていました。
真希は、御前試合で2連覇を果たし、親衛隊第一席の座に着いていますが、それでももなお、折神紫や燕結芽のように常に立ちはだかる強さの壁を目の当たりにしており、第11話で十条姫和と対峙している際には、
「僕は、自分が強いだなんて思ったことは一度としてないよ。」
「目指す背中はかなたに遠く、見上げる頂は、はるか高い。」
「並び立てるだけの力を得る。」
「その目的のためならばどんな手だって使う。」
と語っており、 輝かしい実績と裏腹に自身への自信の喪失感が描かれていました。
これらの心情は、体内に投与したノロの影響もあったのかもしれませんが、その「刀使としての強さへの渇望」は、彼女の精神的な脆さへとつながっていました。
前へ進もうとする意思
「荒魂に対する恐怖心」や「立ちはだかる強さの壁」が精神的な脆さにつながっていた真希でしたが、それでも前へ進もうとする強い意思が描かれていました。
荒魂に対しては、恐怖心を持ちながらもノロを受け入れ、「目には目を歯に歯を」の精神で立ち向かおうする道を選びました。
また、燕結芽や皐月夜見のように既にいなくなった人たちの分まで戦おうとするなど、その姿は、愚直でありながらもひたすら前へ進もうする強い意思を感じさせられました。
布を巻きつけたような意匠
作中において、愚直でありながらも前へと進もうとする真希ですが、それは彼女の意匠にも反映されていました。
まず、真希は包帯を腕にだけでなく、第18話で古波蔵エレン曰く、胸にもさらしを巻いているらしく、体によく包帯を巻きつけています。
また、御刀の柄だけでなく、鞘にも布を巻きつけたようなデザインがなさせれており、常に「布を巻きつけたような意匠」のものを身につけています。
私の調べた範囲では、アニメや漫画などのサブカルにおいて、「布を巻きつけたような意匠」は、強さや弱さを示す記号として使われていることが多いのですが、真希の場合は、自分自身の弱さを隠す為でもあり、様々なことに縛られ続けながらも前へ進もうとする強さの示すものだったのかもしれません。
まとめ
「刀使ノ巫女」において「獅童真希」は、荒魂の恐怖心や間近にある強さの壁を目の当たりにしながらも、強くなろうと前へと進もうとする姿が描かれており、その姿勢が彼女の魅力でもあり、作中におけるイケメンと呼ばれる要因の一つだったのではないかと私は考えています。
最後となりましたが、「獅童真希」に関わってくれた全ての皆様、本当にありがとうございます。